深海の景色

真の底辺に至ると、もはや悩みなんて無くなるのだろう。

 

海面から段々と沈んでいき、苦しみながら深い闇に堕ちていき、やがて深海に達する。

 

そこは静かで美しく、見たことない生き物もいる。辺りは漆黒だが、光に包まれているかのようにも感じる。癒しと安らぎの世界。

 

今までの苦しみが嘘のように無くなっていることに気づく。悶え苦しみ、辛い日々がこの前まで続いていたのに、何も状況は変わっていない筈なのに、何故だかもう何も悩んでいないかのような境地だ。

 

また上に上がれたとしても、そこは静寂ではない。沈む途中の苦しみをまた味わうくらいなら、いっそこのまま底にいたい。

 

深海で生きていきたい。